三十余年前、大阪市経済局の肝煎りで「あきんど塾」が誕生し、その修了生の有志が、「一木会」を結成。あきんど塾で教鞭を取っていたご縁で塾頭という形で迎え入れられました。その後二十数年の時を経て、一木会のメンバーは東京一極集中の時の流れに対して起死回生を誓い、長い雌伏の時を重ねてきました。
まさに時の氏神でしょうか。吉凶あざなえる縄の如しか。東京五輪に続く大阪万博招致決定の天恵です。加えて今回は日本初のIR(統合リゾート)が三段跳びのビック・チャンスとなりました。それは独善的な「日本ファースト」ではなく、遠くアフリカ勢の期待、ヨーロッパ勢の協力の声まで、国際的関心に包まれての開催です。
いよいよ国際都市大阪へのスタート・アップで、大阪人の真骨頂が問われる舞台が、設営されます。一過性のお祭り騒ぎではなく、「近畿は一つ」との永年のモットーへの着火です。
東京との二眼レフの世界的なお目見えで、平成の閉塞感を吹きとばす日本の新時代の前衛的イベントには、単なる観光インフラに留まらない、“おもてなし時空”創り本番といえるでしょう。
デジタル革命の奔流は、私たちの経営環境一変の加速ぶりです。AI搭載のIoTやロボットを自家薬籠中の物とし、不透明な明日への一歩を、大阪人の持ち前の精神文化が大きな共感を呼ぶステージづくり―それは空前絶後の挑戦となることでしょう。
この時機における「一木会」の使命は何か。事業存続の道は何なのか?無策な傍観者は、革命の波に押し流され置き去りの悲哀をかこつのみ。
人手不足も深刻化し、財政負担、不慮の災害へのセキュリティなど、目のくらむような課題対処の大波が押し寄せます。明治の五代友厚、昭和の関一(はじめ)が描き実現させた先達の周回に、「やってみなはれ」「新しいもの大好きや」と名もなき人々が支えたこと、この近代史の教訓は、新しい仲間を迎え入れ、自社の得意技を一層磨き出す勇気と創造力とが喚起剤だと伝えてくれています。
初心一途に起(た)て!一木会! 私は心よりそう念じています。
一木会 名誉会長
『歴史華やぐ女たち「中国美女列伝」』
『逆境に道あり“ 人を活かし、自己に打ち克つ三十六計”』
『五圓玉人生』
『怒涛に燃える』
『勝機』
『続 勝機』 等